“みえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
見得40.1%
見栄27.4%
外見10.5%
三重5.1%
3.4%
虚飾3.4%
虚栄2.1%
見榮1.7%
実枝0.8%
粧飾0.8%
誇見0.8%
三会0.4%
來診0.4%
来宿0.4%
0.4%
美恵0.4%
虗栄0.4%
見樣0.4%
觀得0.4%
顧眄0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
両親は私の書くものを一番ケイベツしていたので、その申しひらきの見得みえもありなかなかに人生ユカイなものの一つであったのだ。
落合町山川記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
四十となれば世間的な見栄みえや、かけ引などもあったかも知れぬが、ミネはそれをそっと包んで平凡な女の誇りを持たせようとした。
妻の座 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
つけるに外見みえを捨てその蝙蝠傘かうもりがさを借り遂に兩杖となりたるぞあはれなる道は捗取はかどらねど時が經てば腹は减りてまた苦を重ぬるを道人勇みを
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
其處からおいでになつて、三重みえの村においでになつた時に、また「わたしの足は、三重に曲つた餅のようになつて非常に疲れた」
「むゝ。」とふくれ氣味のツちやまといふみえで、不承不精ふしやうぶしやう突出つきだされたしなを受取ツて、楊子やうじをふくみながら中窓のしきゐに腰を掛ける。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
美女 (おくれたる内端うちわな態度)もうもう、決して、虚飾みえ栄燿えようを見せようとは思いません。あの、ただ活きている事だけを知らせとう存じます。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は眼に多少の文字ある駅夫などがかえって見苦しい虚栄みえに執着して妄想の奴隷となり、同輩互いに排斥し合うているのに、野獣のような土方や、荒くれな工夫が
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
見榮みえのない八五郎は、恐ろしく下手な文字を持て餘して親分の平次の方へ手紙を押しやるのです。
実枝みえさんみたいな気立の人ならいい。」
曠日 (新字旧仮名) / 佐佐木茂索(著)
まあそこらの塵埃ごみのなさそうなところへ坐ってくれ、油虫がって行くから用心しな、野郎ばかりの家は不潔きたないのが粧飾みえだから仕方がない、おれおまえのような好いかかでも持ったら清潔きれいにしようよ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この暑中休暇は東京で暮すつもりだと言つて来たのを、故家うちでは、村で唯一人の大学生なる吾子の夏毎の帰省を、何よりの誇見みえにて楽みにもしてゐる、世間不知しらずの母が躍起になつて
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
其上に元来が島原の人民は鳥銃製造の妙を得て居て、操作の名手も、少なくない。三会みえ村の百姓金作は針を遠くに懸けて置いて、百発百中と云う程で、人呼んで懸針金作と称した位である。
島原の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
こゝのとこ毎日安藤先生がお來診みえになつてカルシウムの注射をして下さいます。何んといつてもお年がお年ですからそれだけに不安でなりません。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
真実ほんとに妙な御縁なのですよ、私は今日、身の上について兄に相談があるので、突然だしぬけに参りますと、妹が小声で大友さんが来宿みえてるというのでしょう、……」
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
お前さん方もその高利貸の世話に成つてゐられるのは、余りみえでも無く、さぞ心苦く思つてゐられるだらう、と私は察してゐる。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
峡中の美橋、美恵みえ橋が現れて来た。一名ふんどし橋というのがそれだ。褌の節約と馬糞ばふん拾集しゅうしゅうとから得た利益を積み立てて架橋したのが大正三年の洪水で流出した。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
酒だおんな花牌はな虗栄みえだと魂を使われて居る手合が多いのだから、大川の夜景などを賞しそうにも無い訳だ。
夜の隅田川 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
屍を守る見樣みえで、棒の如く突立つた女は、軈て俄然がばと身を投て、伏重なつたと思ふと、じつと僵れて身動も仕無い。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
老、莊、揚、墨、孔丘、釋迦、其他古今の哲學者が觀得みえたる世界を小なりとして、自ら片輪なる世界を造らむは果敢はかなきすさみならまし。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
潜水服をたお伽噺とぎばなしの怪物の顧眄みえをしながら
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)