“ぶかっこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
不恰好73.0%
無恰好12.7%
不格好9.5%
不形恰1.6%
無格好1.6%
無格恰1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
突然庫裏くりの方から、声を震わせて梵妻だいこくが現われた。手にくわのような堅い棒を持ち、ふとった体を不恰好ぶかっこうに波うたせ、血相かえて来た。
果樹 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
しかし、お竜ちゃんは、大きな、無恰好ぶかっこうな数字が一めんにおどっているような私の帳面の方は偸見ぬすみみさえもしようとはしなかった。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
わしは宮の周囲にはえた不格好ぶかっこう樹立こだちと、そしてちょろちょろと落ちる谷水を見ていると、何とも言えない欠乏の感じにうたれました。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
それかと云って、厚着あつぎをして不形恰ぶかっこうに着ぶくれたどうの上に青い小さな顔がって居る此のへんな様子で人の集まる処へ出掛でかける気もしない。
秋風 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
そのかわりにペンキ塗りの思想や蝋細工ろうざいくのイズムが、新開地の雑貨店や小料理屋のように雑然と無格好ぶかっこうに打ち建てられている最中に
写生紀行 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
三度五度、ついには全くその姿を失うて、車は大なるカーブを画き、南の方無格恰ぶかっこうな富士の頂を見た時、夢からめたような思いがした。そしてこの時ほど富士山を醜く見たことはない。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)