“ひひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒヒ
語句割合
霏々47.8%
狒々26.5%
比々8.8%
猅々3.5%
2.7%
狒狒2.7%
卑卑0.9%
卑鄙0.9%
0.9%
0.9%
猅猅0.9%
猩々0.9%
秘扉0.9%
菲々0.9%
飛々0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と——弦之丞が、次の言葉をかける間もあらばこそ、怪しげな二人の侍——霏々ひひとふる雪のあなたへ、脱兎だっとのごとく逃げだしてゆく——。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日暮れ方にこの窓から覗いていると、あのブルドッグの狒々ひひおやじが、往来を向うから横切って、妾の処へ通って来るのが見える。
ココナットの実 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
蕉門しょうもんの著書といへども十中八、九は誤謬ごびゅうなり。その精神は必ずしも誤謬ならざるも、その字句はその精神を写す能はずして後生こうせいまどいを来す者比々ひひ皆これなり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
小半次は自分の罪のつぐなひに、人身御供を助けて猅々ひひを退治した氣でゐるんだらう。——が人を殺して變な細工をしたから、三輪の親分に地獄の底までも追つかけられるのだ
箒を逆にして空にひひらせたようなその梢に、どうしてのこったかたった一枚、真赤な楕円形の朽葉がひらひら動いていた。それが透明な二月の碧空の前に、ぽちりと滴った血のように美しく見える。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
就中なかんずく狒狒ひひ型」「猩猩しょうじょう型」なぞいうものがありますが、もうこの辺になると、のんだくれの異名か好色漢の綽名あだなか、又は進化論者が人類侮辱の刷毛序はけついでにつけた醜名しこな
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
申子しんし(一二五)卑卑ひひ(一二六)これ名實めいじつほどこす。韓子かんし(一二七)繩墨じようぼくいて事情じじやうせつに、是非ぜひあきらかにす、きはめて(一二八)慘礉さんかくにしておんすくなし。みな道徳だうとくもとづく。
臣はもと布衣ほい、みずから南陽に耕し、いやしくも性命を乱世に全うし、聞達ぶんたつを諸侯に求めざりしに、先帝臣の卑鄙ひひなるを以てせず、みだりにおんみずから枉屈おうくつして、三たび臣を草廬にかえりみたまい
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生れたままの、自分の意志——というよりも我意を、高山の頂に生いたった杉の木のように矗々ちくちくひひらしている大将であった。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
放下ほけたる空隙あなより践外ふみはずして、ひひおおかみあえなくも
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
その中でいちばん大きい、猅猅ひひのようなかたち大猿おおざるを、しっかりとさえつけたまま、六部ろくぶもしっぺい太郎たろうたおれていました。
しっぺい太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
一同はそれらを皆ふさいでいった。また発見された物にはずいぶん珍しいものがあった。なかんずく猩々ひひ骸骨がいこつはすぐれたものであった。
番兵が秘扉ひひをひらいて、彼を簾外れんがいへいざなうと、玄徳の妻室甘夫人かんふじんと、側室の糜夫人びふじん
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金殿玉楼きんでんぎょくろうその影を緑波りょくはに流す処春風しゅんぷう柳絮りゅうじょは雪と飛び黄葉こうよう秋風しゅうふう菲々ひひとして舞うさまを想見おもいみればさながら青貝の屏風びょうぶ七宝しっぽうの古陶器を見る如き色彩の眩惑を覚ゆる。
宵のうちには、乱雲飛々ひひのあいだに、月のこぼれて来る間は短く刻まれていたが、いつのまにか大空の雲は片寄って、広い星梨地ほしなしじの天体がぎ出されていた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)