“はなび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
花火37.5%
煙火34.4%
煙花18.8%
烟火具3.1%
爆竹3.1%
華火3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一昨日をとつひばんよひくちに、まつのうらおもてに、ちら/\ともしびえたのを、海濱かいひん別莊べつさう花火はなびくのだといひ、いや狐火きつねびだともいつた。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
香椎六郎はこらえ兼ねて、急造レンズへ手をかけようとすると、不意に、レンズの下で、玩具おもちゃ煙火はなびを鳴らしたような、不思議な爆音が聞えます。
向日葵の眼 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
一人一人に変化のある、そして気のいた点の共通である巴里パリイ婦人の服装を樹蔭こかげの椅子で眺めながら、セエヌ河に煙花はなびあがる時の近づくのを待つて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
街の一端に近きポヽロの廣こうぢにつなを引きて、馬をば其うしろに並べたり。馬は早や焦躁いらだてり。脊には燃ゆる海綿をり、耳後には小き烟火具はなびを裝ひ、わきには拍車ある鐵板を懸けたり。
また各町内ごとに踊り輪をつくって、これがジャンジャンドンドン、夜も昼も音頭と囃子はやしで練りあるく。子供らは花火に狂い、わけて投げ爆竹はなびの音は絶えまもない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
間もなく、山門のひさしは、ばらばらとくずれ、火塵かじんはまるで華火はなびのように噴きあげて、快川の影も、だんだん黒く変ってきたが、しかもなお曲彔きょくろくに懸ったまま倒れもせずに楼上にあるではないか。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)