“はちまき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鉢巻48.1%
顱巻29.6%
鉢卷9.9%
顱卷6.2%
八巻2.5%
盤帯1.2%
頭巻1.2%
顧巻1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
細おもてに無精髭ぶしょうひげが少し伸びて、しおやけのした顔に賢そうなが光っていた。古タオルで鉢巻はちまきをし、仕事着に半長靴はんちょうかをはいていた。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
眉太く、眼の細きが、むこうざまに顱巻はちまきしたる、額のあたり汗になりて、のしのしと近づきつつ、細き道をかたよけてわれを通せしが、ふりかえり
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おび一重ひとへひだり腰骨こしぼねところでだらりとむすんであつた。兩方りやうはうはしあかきれふちをとつてある。あら棒縞ぼうじま染拔そめぬきでそれはうまかざりの鉢卷はちまきもちひる布片きれであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
加之しかのみならずさけ近所きんじよ灘屋なだやか、銀座ぎんざ顱卷はちまき取寄とりよせて、と會員一同くわいゐんいちどう強請きやうせいかんがへてごらんなさい、九九九でひますか。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……あごはずしというのは、言葉通り大笑いと、大あくびで、ひょっとすると、頤がはずれるので、両手でおさえたり、縦に八巻はちまきをしたりして、用達ようたしをして人を驚かせたり笑わせたりしました。
組紐くみひも盤帯はちまきにした帽檐広つばびろな黒羅紗ラシャの帽子をいただいてい、今一人は、前の男より二ツ三ツ兄らしく、中肉中背で色白の丸顔、口元の尋常な所から眼付のパッチリとした所は仲々の好男子ながら
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
とちをひろひて山よりかへりしといふ娘を見るに、髪は油気あぶらけもなくまろめつかねたるをにてひ、ふるびたる手拭てのごひにて頭巻はちまきをなし、木綿袷もめんあはせあかづきたるがつねなみより一尺もみじかきに
これが下々したじたのものならばさ、片膚脱かたはだぬぎの出刃庖丁の向う顧巻はちまきか何かで、阿魔あま! とばかりで飛出す訳じゃアあるんだけれど、何しろねえ、御身分が御身分だから、実は大きな声を出すことも出来ないで
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)