“はぐき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハグキ
語句割合
歯齦59.6%
21.1%
歯茎7.0%
齒齦1.8%
歯朶1.8%
1.8%
葉茎1.8%
齒根1.8%
齒莖1.8%
齦肉1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みなりのひどいことは他の子供たちと同様であるが、だらっと垂れた唇はよだれだらけだし、紫色の歯齦はぐきと、欠けた前歯がまる見えであった。
しじみ河岸 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
笑うと出っ歯のはぐきの露出するのも気になったが、お品が悪くはないながらに口の利き方や気分に、どこか肥料こやしくさいようなところがあった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
あの広壮こうそうな建物という建物は一つとして影をとどめず、壁は、歯のぬけた歯茎はぐきのようになっていた。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
煙管きせるをすつといてからまた齒齦はぐき空氣くうきうてけぶりと一つにんでしまつたかとおもふやうにごくりとつばんで、それからけぶりすのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
としはじめといふので有繋さすがかれいへでも相當さうたうもち饂飩うどん蕎麥そば/\のれいよつそなへられた。やはらかなもち卯平うへい齒齦はぐきには一ばん適當てきたうしてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それもそうじゃな。どれ、一つ杯をそう。この処ちょいとお儀式だ。と独り喜悦よがりの助平づら、老婆は歯朶はぐきき出して、「すぐ屏風びょうぶを廻しましょうよ。「それがい。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
靈は默つてその侮辱をうける他はなかつた…………と思ふと、久米の仙人ははぐきを打たれた鳥のやうに、もんどりうつて小河の河つ縁に落ちて來た。
久米の仙人 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
と言つて勝手に取り上げてしまつた。もと/\加茂の二葉葵には長い葉茎はぐきがくつ附いてゐるのだが、清康はそんな物は無益やくざだといつて摘み切つてしまつた。
胸一杯の悲しみにことばさへ震へ、語り了ると其儘、齒根はぐき喰ひしばりて、と耐ゆる斷腸の思ひ、勇士の愁歎、流石さすがにめゝしからず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
怨みの言葉を言はせも敢へず、老女はまばらなる齒莖はぐきを顯はしてホヽと打笑うちゑ
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
彼女には齒といふ齒がまるきりなくなつてゐた。で、笑ふと、齒の代りに、子供のやうな圓い齦肉はぐきが見えた。