“のびのび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
伸々35.2%
暢々35.2%
延々22.2%
伸伸1.9%
延引1.9%
暢達1.9%
身延1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
岐阜城へさして信長が帰ったのはそれからであったが、残暑の疲れを、彼も兵馬も、伸々のびのび、ひと月と休んでいるいとまもなかった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そいつぁちっと早いな。怪しいもんだぜ」などと、鶴さんは節の暢々のびのびした白い手をのばして、莨盆たばこぼんを引寄せながら、お島の顔を見あげた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「いかにも、都のあの変事で、去年は延々のびのびとなり申したが、どうやらこの秋には、部屋住みの高氏も、を持つ男並おとこなみとなりそうでござりまする」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこでは人人が、他人の領域と交渉なく、しかもまた各人が全体としての雰囲気ふんいき(群集の雰囲気)を構成して居る。何といふ無関心な、伸伸のびのびとした、楽しい忘却をもつた雰囲気だらう。
田舎の時計他十二篇 (新字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
彼奴やつも可哀そうだ、一度は行って見てやらなければ……という気はあっても、さて踏み出して行く決心が出来なかった。明日あすは明日はと思いながら、つい延引のびのびになってしまった。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
この景色はかように暢達のびのびして、かように明白で、今までの自分の情緒じょうしょとは、まるで似つかない、景気のいいものであったが、自身の魂がおやと思って、本気にこの外界げかいむかい出したが最後
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
新聞を見て了つて、起きようかナと思ふと、先づ床の中から両腕を出して、思ひ切つて悠暢ゆつたり身延のびのびをする。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)