“なみなみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
満々28.6%
尋常17.9%
並々14.3%
盈々10.7%
浪々10.7%
波々7.1%
凡々3.6%
普々3.6%
普通3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
菊池君は私にも叩頭おじぎをして、満々なみなみと酌を享けたが、此挙動やうすは何となく私に興を催させた。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
万一かれが身の上に、怪我あやまちはなきやと思ふものから。「かれ元より尋常なみなみの犬ならねば、無差むざ撲犬師いぬころしに打たれもせまじ。さるにても心元なや」ト、しきりに案じ煩ひつつ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
さればこの山の神社に四年目毎に行わるる奉納の試合は関東武芸者の血を沸かすこと並々なみなみならぬものがあります。
大きい花崗石みかげいしの台に載つた洗面盥には、見よ見よ、こぼれる許り盈々なみなみと、毛程の皺さへ立てぬ秋の水が、玲瓏れいろうとして銀水の如く盛つてあるではないか。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
茶の間では細君がくすくす笑いながら、京焼の安茶碗に番茶を浪々なみなみいで、アンチモニーの茶托ちゃたくの上へ載せて
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
佐々村村一は赤酒のコップに波々なみなみと受けて、黙礼をしたまま、それを唇に持って行くのです。
法悦クラブ (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
それも凡々なみなみならぬ驚きかたであって、精いっぱいの金切り声が、いきり立つ犬の声と、途端に、すさまじい闘いを捲き起し、御堂のはりもために裂けるかのように、人獣ふたいろの音響が
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
階級的文化運動を押しすすめて行った彼の努力は普々なみなみならぬものであった。
一九三二年の春 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
まず第一に何を可愛かわゆがってたれしたうのやら、調べて見ると余程おかしな者、爺のかんがえでは恐らく女におぼれる男も男にくらむ女もなし、皆々手製の影法師にほれるらしい、普通なみなみの人の恋の初幕しょまく
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)