“とりえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
取柄69.7%
取得23.6%
取抦1.1%
捕得1.1%
採獲1.1%
特色1.1%
特長1.1%
長所1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その信雄が、もう少し、どうにか取柄とりえのある人物だと、この二人の人知れぬ苦労も少ないだろうが、いかにせん凡庸ぼんようはもう定かだ。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早いばかりが取得とりえではない、早いが上に、それがちゃんと物になっているのはさすがに偉いと、わたしはまた今更のように感心させられた。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
何ういう人物じゃ、職人じゃによって別に取抦とりえはあるまいが、何ういう性質の者じゃ、知らんか
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
●さて熊をとる種々しゆ/″\じゆつあり。かれがをる所の地理ちりにしたがつて捕得とりえやすき術をほどこす。熊は秋の土用よりあなに入り、春の土用に穴よりいづるといふ。
滝太郎はかつて勇美子に、微細なるモウセンゴケの不思議な作用を発見した視力をたたえられて、そのどこで採獲とりえたかの土地を聞かれた時、言葉を濁して顔の色を変えたことを——前回に言った。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そんなことよりほかこれぞと言つて特色とりえの有るものは鮮少すくない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
とは儒者中島棕隠そういんが、自分の友達の特長とりえを歌つたもので、篠は篠崎小竹、三本木は頼山陽、貫名は海屋、猪飼は敬所、文吉といふのは言ふまでもなく棕隠自身の事である。
気立てが優しいのと、起居たちいがしとやかなのと、物質上の欲望が少いのと、ただそれだけがこの女の長所とりえだということが、いよいよ明らかになって来た。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)