“とこなつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
常夏88.4%
撫子7.0%
永久夏2.3%
矍麦2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
撫子なでしこ円髷まるまげ前垂まえだれがけ、床の間の花籠はなかごに、黄の小菊と白菊の大輪なるをつぼみまじり投入れにしたるをながめ、手に三本みもとばかり常夏とこなつの花を持つ。
錦染滝白糸:――其一幕―― (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「貴方、その欄干にかかりました真蒼まっさおな波の中に、あの撫子とこなつの花が一束流れますような、薄い紅色の影の映ったのを、もしか、御覧なさりはしませんか。」
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やがて、あかえていたようななつきかけました。つばめはうみわたって、とおみなみ永久夏とこなつくにかえ時分じぶんとなりました。
青い時計台 (新字新仮名) / 小川未明(著)
草あやめの外には、芍薬しゃくやく、紫と白と黄の渓蓀あやめ薔薇ばら石竹せきちく矍麦とこなつ虞美人草ぐびじんそう花芥子はなげし紅白こうはく除虫菊じょちゅうぎく、皆存分に咲いて、庭も園も色々にあかるくなった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)