“ときめき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
動悸88.9%
顕貴11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小粋こいき細格子ほそごうしの中をのぞいたが、庄次郎は、ひるんでしまって、少年の動悸ときめきに似たものが、顔へ、のぼってきた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
野葡萄のぶどうのような眸は、これを男に濡れさせてみたくなるばかりな蠱惑こわくをひそめ、なにかにかわいているらしい唇がその口紅を黒ずませて烈しい動悸ときめきに耐えている。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
顕貴ときめき——特にそれが装ふあらゆる何気ない幸福の表情の根に横はる一種の密かな特権に向けて、彼の侮蔑と野心とが冥々の裡に芽生え、極く自然な生長を遂げて行つたといふほどの意味である。
垂水 (新字旧仮名) / 神西清(著)