“てんで”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
各自74.1%
手々5.2%
全然3.4%
到底1.7%
各手1.7%
各目1.7%
従頭1.7%
從頭1.7%
手手1.7%
最初1.7%
縦頭1.7%
自頭1.7%
自體1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女同士をんなどうしはわあとたゞわらごゑはつして各自てんで對手あひていたりたゝいたりしてみだれつゝさわいだ。突然とつぜん一人ひとりがおつぎのかみへひよつとけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ふるびついたる戟共ほこどもおなじく年老としおいたる手々てんでり、汝等なんぢらこゝろびつきし意趣いしゅ中裁ちゅうさいちからつひやす。
正月は明けましてで始まり、演説は満堂の紳士淑女諸君で始まり、手紙は拝啓陳者のぶればで始まる。しかし日記は何で始まるものか、はじめからして分らないのだから、全然てんで見当がつかない。弱っちまう。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
夕方ヤット辿り着く宿舎は、束縛の点では監獄と伯仲おッつかつでも、秩序や清潔の点では到底てんで較べもので無い。監獄部屋の名称は、刑務所の方で願下げを頼み込むに相違ない。
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
おのおの粗末なしかも丈夫そうな洋服を着て、草鞋わらじ脚絆きゃはんで、鉄砲を各手てんでに持って、いろんな帽子をかぶって——どうしても山賊か一揆いっきの夜討ちぐらいにしか見えなかった。
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
さすが各目てんでに名を恥じて、落ちたる市女笠、折れたる台傘、飛々とびとびに、せなひそめ、おもておおい、膝を折敷きなどしながらも、嵐のごとく、中の島めた群集ぐんじゅ叫喚きょうかんすさまじき中に、くれないの袴一人々々
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
叔父の事にしては、家がうならうと、妻子が甚麽どんな服装なりをしようと、其麽そんな事は従頭てんで念頭にない。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
今の話の體操教師のやうに、自分で機會を作り出して、其の機會を極力利用するなんてことは、僕にはとても出來ない。出來るか、出來ないかは別として、從頭てんでそんな氣も起つて來ない。
我等の一団と彼 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
いよいよ、運動会の日になりますと、村の人たちは、東山派と西山派とに分れて、手手てんでに、旗を押し立てて、学校の運動場へのりこみました。
にらめつくらの鬼瓦 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
岩「むゝ……分った、むゝう成程さむらいてえものは其様そんなものか……だから最初てんで武家奉公は止そうと思った」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それがよ、家庭の事情なんて事が縦頭てんでくない。生活問題は誰にしろ有るさ。然し芸術上の才能はうは行かない。其奴が君、戦つても見ないで初めツから生活に降参するなンて、意気地が無いやね。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
喜見きけんとか云ふ、土地ところで一番の料理屋に伴れて行かれて、「毎日」が仮令たとへ甚麽どんな事で此方に戈を向けるにしても、自頭てんで対手にせぬと云つた様な態度で、唯君自身の思ふ通りに新聞を拵へて呉れれば可い
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
喜見きけんとか云ふ、土地で一番の料理屋にれて行かれて、「毎日」が例令たとへ甚麽どんな事で此方にほこを向けるにしても、自體てんで對手にせぬと云つた樣な態度で、唯君自身の思ふ通りに新聞を拵へて呉れれば可い。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)