“つむじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
旋風55.8%
旋毛35.8%
2.1%
颶風2.1%
十字1.1%
1.1%
疾風1.1%
颷風1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
千葉が亡くなつた事は、留学生の仲間には旋風つむじのやうに伝はつて往つたが、肝腎の孔雀女にだけは誰一人知らさうとする者が無かつた。
鄔陀夷曰く姑の過ちでない、彼の両乳の間および隠密処に黒黶くろぼくろと赤黶と旋毛つむじ、この三の暴悪相があるからだと教えじきを受けて去った。
ことに今夜、げたぞと言わんばかりに、こうしてやって来たのが、今いった政府の文書課長。自分は浪人言わば失業者の大将みたいなものだから、はじめッから少々つむじまがっている。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
火燄かえんも螺線になッて燃えるのだが凡眼では見えないのサ。風は年中螺旋に吹てるのサ。小サイ奴が颶風つむじだよ。だから颶風なぞは恐ろしいものではない。
ねじくり博士 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
長崎よりかへりてみれば銀座十字つむじに牛は通らずなりにけるかも
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
風は時々一定の方向を失つてつむじ風になるらしい。一時に同じやうな力で表と裏に迫つて來る。雨はどうかと耳を澄ましたが、風にまじつて、それらしい物音は聞えなかつた。
続生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
足で種を取るから「足の勇」と言われる位の男で、用事がありさえすれば夜中だろうが朝だろうが、疾風つむじのように飛出すのが、この男の身上だったのです。
流行作家の死 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
声援として折々には両軍どッち側からも、わあああ、という喊声かんせいだけは颷風つむじのように巻きあがる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)