“つたおう”の漢字の書き方と例文
語句割合
蔦王100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
途中で拾って蔦王つたおうに持たせてきた白骨は僧の手によって燈明や香煙のうちに安置され、やがて、僧たちの供養が春の夜をかけて長々といとなまれた。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
命じ終ると、正成は数十歩、丘の南のはなのほうへ歩いていた。すると、童武者わらべむしゃ蔦王つたおうが、おやかたさま、おやかたさま、と彼のそばへ駈けよっていた。正成の顔の汗を見たからであろう。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
納経のうきょうの経巻は、これを、一族河原ノ入道の子、蔦王つたおうという童武者に負わせて。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、正成はなお、たての上にあぐらして、いま駅門に馬をつないだ和田助家と楠木弥四郎の報告をうけていた。大鎧おおよろいは脱いで、うしろに置き、そこにはまた、童武者の蔦王つたおうが、居眠っていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのとき、供の蔦王つたおうが、下の谷間道をさして、言っていた。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)