“だし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ダシ
語句割合
山車50.0%
花車19.3%
13.2%
出汁5.3%
煮汁2.6%
出車1.8%
煎汁1.8%
朶思0.9%
煮出汁0.9%
出質0.9%
堤防0.9%
柁師0.9%
船印0.9%
飾車0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
村の少年少女こどもたちは造りかけた山車だしや花笠や造花つくりばなをお宮の拝殿にしまへ込んで、ゾロゾロと石の階段を野原の方へと降りて行くのでした。
女王 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
そしてにぎやかなはやしの音につれて、シャン、シャンと鳴る金棒かなぼうの音、上手かみてから花車だしが押し出してきたかのように、花魁道中おいらんどうちゅうしてきた。
間諜座事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
お登和さん、ホントに今だして下すった松茸は良い品物ばかりですね。何故なぜ良い品ばかり揃えて直段ねだんを高くしてうらないでしょう。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
子供のためにってことは、子供——つまり、子供等の時代のためってことであって、絶対に、子供を出汁だしに使ってはいけないんだ。
外面そとは大方おぼろであろう。晩餐にはんぺんの煮汁だし鮑貝あわびがいをからにした腹ではどうしても休養が必要である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ひぢりめんのくくり猿をつけた大巾おおはばちりめんの大旗や、出車だしもでた。縮緬ちりめんゆかたのお揃いもある、しぼりの揃いもある。
それを鰹節かつぶし煎汁だしとお酒と醤油とで二時間ほど気長に弱火とろびで煮て三分位の輪切りにし出します。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
朶思だし大王も、逃げんとするところを、楊鋒に足をすくわれて、これも難なく、彼の手下にからめ捕られた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朶思だし大王はこの時乱軍の中で討たれたという噂がある。口ほどもない哀れな最期だった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『気をつけろよ、悪党、煮出汁だしとり野郎、もし貴様があの女を見のがして、ここへ来たことをおれに知らせなかったら、誰よりまっ先に貴様を打ち殺してくれるぞ』
狼火のろしがあがったら、しかし、ことによると、燃えきらないかもしれませんね、今のところ民衆は、あんな煮出汁だしとりふぜいの言うことには、あまり耳を貸しませんからね」
「北海道の方はまだ寒いだらう。胴著が一枚欲しいがあれだけ出質だして行かうか」と十風は細君の顏を見る。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
竜王村へ入って村を横切ると釜無川かまなしがわの河原へ出ます。信玄の時代に築かれたという長さ千間の一の堤防だし。その上には大きな並木が鬱蒼うっそうと茂っている。右手には高く竜王の赤岩がそびえている。
ツロよなんじがうちの知者はなんじの柁師だしたり。ゲバルの老練者とその知者とはなんじの舟を修復するの人たり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
船印だしを彫るはもとより、手当り次第に精を出し、一時は少し銭を貯めたが、わずらったので駄目になり、又稼いでいるうちに考えれば居ても起っても耐らないので
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
人形しかけもの台には灯烙ぼんぼりがともり多彩な幾つもの車楽はやし飾車だしは、群集にゆれながら近づいて来るのであつた。
仙台の夏 (新字旧仮名) / 石川善助(著)