“ためいき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タメイキ
語句割合
溜息79.2%
嘆息10.2%
歎息5.0%
太息2.9%
大息0.6%
溜呼吸0.6%
長大息0.4%
長嘘0.2%
長太息0.2%
気息0.2%
消息0.2%
長歎息0.2%
難息0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「雪が解けて、たらの芽でも何でも、青いものが出て来るようになれば」と、人々は遠い春をはるかに望んで、力弱い溜息ためいきをもらす。
豊吉は大川の流れを見ろしてわが故郷ふるさとの景色をしばし見とれていた、しばらくしてほっと嘆息ためいきをした、さもさもがっかりしたらしく。
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
倉蔵は目礼したまま大急ぎで庭の方へわった。村長は腕を組んで暫時しばらく考えていたが歎息ためいきをして、自分の家の方へ引返ひっかえした。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
でも昨今は彼女も諦めたか、昼間部屋の隅っこで一尺ほどのさらしの肌襦袢を縫ったり小ぎれをいじくったりしては、太息ためいきいているのだ。
死児を産む (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
随分これは面白くない待受けといふものでせう。「おれの飼狗まで、おれを見忘れて仕舞つたか、」とリツプは大息ためいきを吐き乍ら云ひました。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
かれは床から起き上つた。そして溜呼吸ためいきをついた。
波の音 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
やがて姉の小さいいびきが聞えた。時計は一時をカンと鳴った。八畳では寝つかれぬと覚しく、おりおり高い長大息ためいき気勢けはいがする。甲武の貨物列車がすさまじい地響を立てて、この深夜をひとり通る。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
まづ太刀ここにとりて来よといふに、刀自やがてたづさへ来るを、よくよく見をはりて、長嘘ためいきをつぎつつもいふは、ここに恐ろしき事あり。
たちま長嘘ためいききて、をひらき、めたるがごとくに起きあがりて、人々にむかひ、我二一人事にんじをわすれて既に久し。
わたしはそれをならふために授業じゆげふけてはゐませんでした』とつて海龜うみがめ長太息ためいきし、『わたしたゞ規則きそくどほりの課程くわていんだゝけです』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
わたしは一先生せんせいところきませんでした』とつて海龜うみがめ長太息ためいきし、『その先生せんせいわらふことゝかなしむことゝををしへてゐたさうです』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
あゝ幽遠かすかなる気息ためいき
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「あゝ、すつかり秋だねえ。」と、夫は消息ためいきをつくやうにして言つた。
散歩 (新字旧仮名) / 水野仙子(著)
御目通おめどおりかなわぬ遠慮さっしゃい。」と郷右衛門めかしておおせを伝え、直ちに御前を退散して、御供の車夫に様子をたたけば、三吉がらてきというふさいだ顔色、ほっとせし気味にて長歎息ためいき
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼我を見し時、その難息ためいきを髯に吐き入れ、はげしくもがきぬ、フラーテカタラーン之を見て 一一二—一一四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)