“たまたま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タマタマ
語句割合
偶々49.7%
15.7%
偶〻15.2%
稀〻7.3%
適々3.1%
2.6%
会々1.6%
稀々1.6%
1.0%
遇々1.0%
偶偶0.5%
適間0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ギラ・コシサンの住んでいるガクラオの共同家屋ア・バイ偶々たまたまグレパン部落の女がモゴルに来た。名をリメイといって非常な美人である。
南島譚:02 夫婦 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「近時余ガ詩格一変ス。たまたま一絶ヲ得タリ。」として「自喜新編旧習除。才仙詩訣在吾廬。一窓梅影清寒夜。月下焚香読詩書。」
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
するときひざの高さ三尺ばかりあり。偶〻たまたま足跡を見るに五六尺もありて、一歩に十余間を隔つと云へり(『日東本草図彙』)。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
大名たちにも構えの高い癖がついているので、稀〻たまたま、宿下がりかお使いで城外へ出ると、やたらに人間どもがいやしく見えてならなかった。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
適々たまたま以て、その後の睡眠間に於ける夢遊状態の存在を指示しおれる一徴候と認め得べき理由あり。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一たびわかれまゐらせて後、一〇二たのむの秋よりさきに恐ろしき世の中となりて、里人は皆家を捨てて海にただよひ山にこもれば、たまたまに残りたる人は、多く一〇三虎狼こらうの心ありて
そして、会々たまたま逢う機会があれば、それとなく会話の間に、多くの場合は、世にためしなき恋文の内に、彼の切ない思いをかき口説くのであった。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
御前のやうな妻を持つたのはと言ひ捨てに出て御出で遊しました、何といふ事で御座りませう一年三百六十五日物いふ事も無く、稀々たまたま言はれるはこの様な情ない詞をかけられて
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかも王なお屈せず、衝撃いよいよ急なり。たまたままた暴飇ぼうひょう起り、おくひるがえす。燕軍之に乗じ、傑等おおいついゆ。燕兵追いて真定城下に至り、驍将ぎょうしょう鄧戩とうしん陳鵰ちんちゅう等をとりこにし、斬首ざんしゅ六万余級、ことごとく軍資器械を得たり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
遇々たまたま父の館へ帰つてきて裏切の話を耳にとめ父兄を諫めたが容れられる段ではない。
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
かかるとき、偶偶たまたますゝけたる赤黒あかぐろき空氣の幕が
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
適間たまたまとぶらふ人も、宮木がかたちのめでたきを見ては、さまざまにすかしいざなへども、三二ていかしこみさをを守りてつらくもてなし、後は戸をてて見えざりけり。