“せいさん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
凄惨58.0%
悽惨14.5%
聖餐7.6%
成算7.6%
凄慘4.6%
正餐2.3%
生産2.3%
征驂0.8%
盛餐0.8%
青衫0.8%
青袗0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、私のそのかすかな身ぶるいのなかを氏の作品の「羅生門」の凄惨せいさんや「地獄変」の怪美や「奉教人の死」の幻想が逸早いちはやく横切った。
鶴は病みき (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
しかしかかる悽惨せいさんな生の流れにおいてこそ、はじめて太子の御姿が幾度もふりかえられ、その祈念は人心に復活したといえるのではなかろうか。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
彼は聖餐せいさんが風に投げ散らされるのを見る牧師のようであり、偶像の上に通行人がつばしてゆくのを見る道士のようだった。
だが、息子のそれらの良質や、それに附随ふずいする欠点が、世間へ成算せいさん的に役立つかとあやぶまれるとき、また不憫ふびんさの愛がえる。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
悲慘ひさんなのもあれば、ふねのがれた御殿女中ごてんぢよちうが、三十幾人さんじふいくにん帆柱ほばしらさきからけて、振袖ふりそでつまも、ほのほとともに三百石積さんびやくこくづみけまはりながら、みづあかつたと凄慘せいさんなのもある。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白仁しらにさんから正餐せいさん御馳走ごちそうになったときは、民政部内の諸君がだいぶ見えた。みんなそろってカーキー色の制服を着ていた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
猶雪の奇談きだん他事たじ珎説ちんせつこゝにもらしたるもいとおほければ、生産せいさんいとまふたゝびへんつぐべし。
長城万里にわた荒蕪くわうぶ落日に乱るゝの所、ちやうたる征驂せいさんをとゞめて遊子天地に俯仰ふぎやうすれば、ために万巻の史書泣動し、満天の白雲つて大地を圧するの思あり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
十荷じっか酒瓶さかがめを用意し、干魚、乾貝ほしがい、川魚、鳥肉、果実、牛酪ぎゅうらく、菜根など、あらゆる珍味を調理して、当日の盛餐せいさんにそなえた。——おそらく、この館の古い厨房が始まって以来の煮炊きであったろう。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
 青衫せいさん馬蹄ばていの塵に汚る
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
江西と云えば彼女の産地は、潯陽江上じんようこうじょうの平野である。中学生じみた感慨に耽ければ、楓葉荻花瑟瑟ふうようてきかしつしつの秋に、江州の司馬白楽天が、青袗せいさんうるおした琵琶の曲は、かくの如きものがあったかも知れない。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)