“しんかん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
森閑54.1%
震撼22.6%
岑閑3.4%
震憾3.4%
宸翰2.7%
秦漢2.1%
神官1.4%
心肝1.4%
新刊1.4%
辰韓1.4%
闃寂1.4%
信管0.7%
寂閑0.7%
浸涵0.7%
深閑0.7%
清韓0.7%
真観0.7%
身幹0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ことによると時計が違っているのかも知れないが、それにしても病院中が森閑しんかんとなっているのだから、真夜中には違い無いであろう。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
自分は震撼しんかんしました。ワザと失敗したという事を、人もあろうに、竹一に見破られるとは全く思いも掛けない事でした。
人間失格 (新字新仮名) / 太宰治(著)
の家も人が居ないやうに岑閑しんかんとしてゐた。そこを出抜けると成程寺の門が見えた。瓦に草が生えて居る。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ときいた忠相のあたまに、電光のようにひらめいたのは、当時府内を震憾しんかんさせている逆けさがけの辻斬り、その下手人げしゅにんも左剣でなければならない一事だった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
あくる日、しょうは、上清宮の神扉しんぴ深きところの、宸翰しんかん箱にまつり封ぜられ、式を終って、夜は一山の大饗宴だいきょうえんに移った。精進しょうじん料理ばかりのお山振舞ぶるまいである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
更に右の二通を選び出した目安というものが、支那の本場もよろしいが、秦漢しんかんだとか、六朝りくちょうだとか、稚拙だか豪巧だか知らないが、あれはちょっと近寄れない。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
力なくこういうと、神官しんかん菊村宮内きくむらくないは、天狗てんぐつめからすべりおちるように、よろよろと島のなかへすがたをかくしてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かの女も画家も、意識下に直助によつて動揺させられるものがあり、二人ともめい/\勝手にあらぬことを云つてるやうで、しかも、心肝しんかんを吐露してる不思議な世界を心に踏みつつ丘の坂道を下つた。
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
だが新刊しんかんの本が買えないから、古い本でもそれを読むよりほかにしようがなかった、そこでおれはそれを読んだ、友達が遊びにきておれの机の上をジロジロ見るとき
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
その南朝鮮みなみちようせんには三韓さんかんといふちひさいくに分立ぶんりつしまして、そのうち辰韓しんかんといふのが、新羅しらぎくにになり、弁韓べんかん日本につぽん植民地しよくみんち任那みまなになり、また馬韓ばかんといふのが百濟くだらになつたのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
其時は男盛りの漁夫れふしと船頭親子と一緒だつた。鰹の取れる頃には、其邊は人で埋まるとか、其日は闃寂しんかんとしたもので、蝦網などが干してあつて、二三の隱居が暢氣に網を補綴つくろつて居た。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
はたけに出てあか実付みつき野茨のばら一枝ひとえだって廊下の釣花瓶つりはないけけ、蕾付つぼみつき白菜はくさい一株ひとかぶって、旅順りょじゅんの記念にもらった砲弾ほうだん信管しんかんのカラを内筒ないとうにした竹の花立はなたてし、食堂の六畳にかざる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
うすると、急に秋風が身にみて、其の男はぶる/\と震へ出したさうだがね、寂閑しんかんとしてひと一人ひとり居さうにもない。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
克勤こくきんの、昼の為せるところ、夜はすなわち天にもうしたるに合せ考うれば、孝孺が善良の父、方正の師、孔孟こうもうの正大純粋のおしえ徳光とくこう恵風けいふう浸涵しんかんして
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
深閑しんかんとして、生物いきものといへばありぴき見出せないやうなところにも、何處どことなく祭の名殘なごりとゞめて、人のたゞようてゐるやうであつた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
名刺一たび入り、書生二たびでて、山木は応接間に導かれつ。テーブルの上には清韓しんかんの地図一葉広げられたるが、まだ清めもやらぬ火皿ひざらのマッチ巻莨シガーのからとともに、先座の話をほぼおもわしむ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
はじめ三人は『弘長百首』の作者だが、後の藤原光俊は出家して弁入道真観しんかんといった人、為家に学んだのであるが、後異風をてて、為家を不快がらせた。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
おそらく人間として平均の調和をうしなえるものは、学者よりも実業家にかえって多いかと思われる。たとえていえば、人のうで身幹しんかんに比して何分なんぶんとか、たいてい一定した割合がある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)