“しわざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
仕業73.0%
所業14.5%
所為4.4%
為業3.5%
所行0.7%
所爲0.5%
0.5%
爲業0.5%
仕様0.5%
処業0.5%
所作0.5%
處業0.5%
0.2%
仕事0.2%
行為0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ときどき手を合せて拝みたい気もちのするのも、しき情慾の奴隷どれいとなって、のたうち廻った思い出のなせる仕業しわざとのみはいえまい。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
勿論、凡者ただもの所業しわざではない、夕方、横川をわたって飯室谷いいむろだにへかかった天城四郎とその手下どもの襲ったことから始った事件であった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
末梢を論じ、枝葉をあげつらい、章句に拘泥こうでいして日を暮すは、世の腐れ儒者の所為しわざ。何で国を興し、民を安んずる大策を知ろう。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その上明日からは福知山の何倍もある大大名、京極丹後守の指南番大月玄蕃が宿の妻に出世するのじゃ——満更そちにむご為業しわざでもあるまいがの
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくして一には浪子を武男の念頭より絶ち、一には川島家のまつりを存し、一にはまた心の奥の奥において、さきに武男に対せる所行しわざのやや暴に過ぎたりしその罪? ほろぼしをなさんと思えるなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
我れを何處どこまでも日蔭ものゝ人知らぬ身とて仕舞はじ、前後に心ざはりなくて胸安からんの所爲しわざとは見え透きたり、流石に御心には懸りていつぞは仇する女とおぼしめしたるか
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
息子むすこ嗜好すき色々いろ/\もの御馳走ごちさうして「さて、せがれや、おまへ此頃このごろはどうしておいでだえ。矢張やはりわるしわざあらためませんのかえ。」となみだながらにいさめかけると
尋ねさがせしに行方ゆくへ知れざれば此は必定ひつぢやう桶伏をけふせにしたる石川安五郎が爲業しわざに相違有まじと人々言居ける所に大門おほもん番の重五郎が阿部あべ川の河原かはらにて何者にか切殺され死骸しがいは河原に有之との事なれば此はかれは番人の事ゆゑ白妙しろたへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼子あれが、このたび、大庭景親に徒党して、殿へ、抵抗てむかいいたしたのは、まったく、一時の魔がさしたのでござりまする。……ほん気な仕様しわざとは、彼子あれを生んだこの母にも信じられませぬ。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あれが子供の処業しわざかと寄集りし人舌を巻いて太夫よりは美登利の顔を眺めぬ、伊達には通るほどの芸人を此処にせき止めて、三味さみ、笛の音、太鼓の音
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
貢さんは一目見ておどろいたが、従来これまで庭の柿の樹や納屋なやの中に兄のしばられて切諌せつかんを受けるのを度々見て居るので、こんな処へれてはいつて縛つて置いたのは阿父さんの所作しわざだと思つた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
また御贔負ごひいきをの嬌音きやうおんこれたやすくはひがたし、れが子供こども處業しわざかと寄集よりあつまりしひとしたいて太夫たゆうよりは美登利みどりかほながめぬ、伊達だてにはとほるほどの藝人げいにん此處こゝにせきめて、三味さみふゑ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その弟忍熊の王、そのしわざかしこまずして、軍を興し、待ち向ふる時に、喪船にむかひてむなふねを攻めたまはむとす。ここにその喪船より軍を下して戰ひき。
種種の味物ためつものを取り出でて、種種作り具へてたてまつる時に、速須佐の男の命、そのしわざを立ち伺ひて、穢汚きたなくして奉るとおもほして、その大宜津比賣おほげつひめの神を殺したまひき。
優鈿うでん大王だいおうとか饂飩うどん大王だいおうとやらに頼まれての仕事しわざ、仏師もやり損じては大変と額に汗流れ、眼中に木片ききれ飛込とびこむも構わず、恐れかしこみてこそ作りたれ、恭敬三昧きょうけいざんまいうれしき者ならぬは
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
多分そのうち七歳ななつになる男のがあったが、それの行為しわざだろうと、ある時その児を紐で、母親に附着くっつけておいたそうだけれども、悪戯いたずらは依然止まぬ。
一寸怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)