“しゃくなげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シャクナゲ
語句割合
石楠花57.1%
石楠30.4%
石南花5.4%
石南3.6%
柘楠1.8%
石楠木1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また、柵から手を伸ばして、石楠花しゃくなげの葉を五枚ほどむしり取った。それは、口のなかで噛みしめていると、何か、非常に力になる気がした。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
木の葉の上に水のまかるる音を聞いて、マブーフ老人の心は狂喜の情でいっぱいになった。今は石楠しゃくなげも喜んでいるように彼に思えた。
庭には桜、石南花しゃくなげなども有った。林檎りんごは軒先に近くて、その葉の影が部屋から外部そとを静かにして見せた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
石南しゃくなげがわだかまり、巨大な姫子松にさるのおがせがゆらめいて、細い山の背は木の根と落葉でできていると言ってよく、この辺に珍らしい、ふくよかにもの深い感触を、足の裏からも伝えてくる。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
彼女の投げ出した靴の先の所には岩桔梗いわぎきょうが可憐に震えていた。案内者は大きなめんつをひろげて、柘楠しゃくなげの枝で作った太いはしで今朝から第何回目かの食事を初めた。
案内人風景 (新字新仮名) / 百瀬慎太郎黒部溯郎(著)
雪の象徴シムボルとおもう白樺の幹の、まともに、雲透きの夕日をうけた美しさ、岸の落葉松には、霧を吹っかけたように柔かく緑が萌えて、水に沿うたヴィルラには、石楠木しゃくなげがもう咲きかけている。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)