“しめなわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
注連縄55.3%
注連繩14.9%
七五三縄6.4%
七五三繩4.3%
標縄4.3%
標繩4.3%
〆縄2.1%
三五縄2.1%
占縄2.1%
締索2.1%
締縄2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なかで一ばんおおきな彼方むこう巌山いわやますそに、ひとつの洞窟ほらあならしいものがあり、これにあたらしい注連縄しめなわりめぐらしてあるのでした。
部屋の床の間には御嶽山蔵王大権現ざおうだいごんげんと筆太に書いた軸が掛けてあり、壁の上には注連繩しめなわなぞも飾ってある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
席から立った信長の姿を人々が見ると、長柄ながえの太刀脇差わきざしに、七五三縄しめなわを巻いていた。はかまもはいていないのである。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
八年前、英ヘンリー・ダイヤー、『大日本』という書を著わし、欧米で巡査の十手じってを振らねば治まらぬ群集も、日本では藁の七五三繩しめなわ一つで禁を犯さず、と賞賛せり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
あたかもとしくれにて、春のいそぎの門松かどまつを、まだ片方かたほうはえ立てぬうちにはや元日になりたればとて、今もこの家々にては吉例として門松の片方を地に伏せたるままにて、標縄しめなわを引き渡すとのことなり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
標繩しめなわをつるした青二才の監督官に嫌味をいわれたり、憲兵隊へ呼ばれていいかげんにやめないと、生涯、陽の目の見えないところへ入れてやるぞとおどかされたりしたが
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
〆縄しめなわ裏白うらじろ、橙、ゆずり葉、ほん俵、鎌倉海老えびなど、いずれも正月に使用するものですから「相更あいかわらず……」といって何事も無事泰平であるように
長柄の太刀脇差を三五縄しめなわでぐるぐる巻にし、茶筌ちゃせんにゆった髪は、乱れたままである上にはかまもはかないと云う有様である。そして抹香を一攫ひとつかみに攫んで投げ入れると一拝して帰って仕舞った。
桶狭間合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
寄せ集めの軍勢だから同志打ちの危険があるので合印しをつくり、佐賀勢は藁の占縄しめなわ、平戸勢は大小の鞘に白紙三つ巻、島原勢は左の袖に白紙、大村勢は背三縫に隈取紙をつけた。
船の中では、彼は、両手とも出来るだけ自由に使えるようにと、桛杖を頸の周りにかけた一本の締索しめなわにぶら下げていた。
その場に締縄しめなわを張って清めのしるしにされるなぞ、そうした奇怪な事実のあるとなしとにかかわらず、もう一般化したならわしにさえなっているのであった。
坑鬼 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)