“こゝのつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
子刻67.4%
九歳13.5%
午刻5.6%
正午2.2%
夜中1.1%
丑刻1.1%
1.1%
九才1.1%
九種1.1%
九箇1.1%
亥刻1.1%
十二時1.1%
正子刻1.1%
眞晝1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
渡邊織江が殺されましたのは、子刻こゝのつ少々前で、丁度同じ時刻にの春部梅三郎が若江というお小姓の手をひいて屋敷を駈落致しました。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
九歳こゝのつ。』と、その松三郎が自分で答へた。膝に補布つぎを當てた股引を穿いて、ボロ/\の布の無尻むじりを何枚も/\着膨れた、見るから腕白らしい兒であつた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ゴーンと云うのが上野の午刻こゝのつだから今の十二時で何う云う訳か楊枝が四本あります、一本へ歯磨を附けまして歯のもとと表を磨き、一本の楊枝で下歯の表を磨き、又一本の楊枝で歯の裏を磨き
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
馬吉には、上野の正午こゝのつが鳴つて、奧で笛の音がしたら、そつとお孃さんの部屋へ入つて、あやめるやうに教へて置いた。
「成程、さう聞けばわけのないことだ、夜中こゝのつ前に歸つて來るといふことにして、出かけてみようか」
「此處からほんの一里半足らず、敵を討つても夜中こゝのつまでには歸つて來られます」
其の夜の丑刻こゝのつ頃庭口のへい飛上とびあがり、内庭の様子をうかゞいますると、夏の夜とてまだ寝もやらず、庭の縁台には村とばゞの両人、縁側には舎弟の蟠作と安兵衞の両人、蚊遣かやりもとに碁を打って居りました
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
宜しいお前達につて了う。たゞ五分の一だけ呉れろ、乃公わしは其をもつて北海道に飛ぶからつて。其処で小僧がこゝのつの時でした、親子三人でポイと此方こつちへやつて来たのです。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
おゝ正太郎だ……何うも大きくなりやアがった此畜生こんちきしょう親父ちゃんは殺されたか……えゝなに高岡で、うか、おら九才こゝのつの時別れてしまったから、顔もろくそっぽう覚えやしねえくれえだから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
武村兵曹たけむらへいそう技倆ぎりようはまた格別かくべつで、何處どこ練習れんしうしたものか、てつやううでから九種こゝのつ魔球カーブひね工合ぐあひすさまじいもので、兵曹へいそう投手ピツチにすると敵手あひてになるくみはなく、また打棒バツトれて/\たまらぬので
マーキュ 猫王ねこまたどの、九箇こゝのつあるといふ足下おぬしいのちたッたひとつだけ所望しょもうしたいが、其後そののち擧動次第しこなししだいのこ八箇やッつたゝみじくまいものでもない。
七日目になア其の亥刻こゝのつ前じゃったか、下駄をいて墓場へき、線香を上げ、其処そこりんならし、長らく血盆経を読んでしもうて、わしがすうと立って帰ろうとすると
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
小助こすけ前途ゆくて見渡みわたして、これから突張つツぱつてして、瓜井戸うりゐど宿しゆくはひつたが、十二時こゝのつしたとつては、旅籠屋はたごやおこしてもめてはくれない。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やがて上野の正子刻こゝのつの鐘が鳴ると、奧の稽古部屋から、不氣味な笛の音が、明る過ぎるほど明るい眞晝の大氣に響いて、地獄よみの音樂のやうに聞えて來るのです。
その翌る日、眞晝こゝのつを少し廻つた頃、平次の家へ