“こうちゅう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
口中33.3%
講中15.2%
黄忠12.1%
行厨9.1%
光忠3.0%
坑中3.0%
孔伷3.0%
孔宙3.0%
峡中3.0%
江中3.0%
甲虫3.0%
窖中3.0%
行廚3.0%
觥籌3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は、竹見からもぎとった火のついた煙草を、大口あいて、ぱくりと口中こうちゅうへ! まるで、はなしにある煙草ずきの蛙のように。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
言っているとき、またひとりそわそわしながらおりて来た五十がらみの、同じように講中こうちゅう姿した男がありました。しかもそれがやはり言うのです。
坐っているときにはいつも一字々々拾い読みして、五虎将ごこしょうの姓名を説きあかすのみならず、黄忠こうちゅうあざな汗升かんしょう馬超ばちょうの字が孟起もうきなどということまで知っている。
風波 (新字新仮名) / 魯迅(著)
一行は開きかけた用意の行厨こうちゅうを荷って、いわゆる萩原大菩薩峠の頂から熊沢大菩薩の間の尾根を歩き出す。
山道 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その跡をいだのは松太郎光寿こうじゅで、それが三右衛門さんえもんの称をも継承した。迷庵の弟光忠こうちゅうは別に外神田そとかんだに店を出した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
吹聴の程度が木村氏の偉さと比例するとしても、木村氏と他の学者とを合せて、一様に坑中こうちゅうに葬り去った一カ月前の無知なる公平は、全然破れてしまった訳になる。
学者と名誉 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、策を議して、北海ほっかい山東省さんとうしょう・寿光県)に急使を派し、孔子二十世の孫で泰山の都尉とい孔宙こうちゅうの子孔融こうゆうに援けを頼んだ。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここは峡中こうちゅうの平原、遠く白根の山の雪をかぶって雪に揺曳ようえいするところ。亭々たる松の木の下に立って杖をとどめて、悵然ちょうぜんとして行く末とこし方をながめて立ち
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
張は、李俊の義兄弟のひとりで、その名はおう異名いみょう船火児せんかじ——生れは江中こうちゅうの島——小孤山しょうこざんの産だという。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
紫色の紋のある美しいちょうが五、六羽、蜂が二種類、金亀子こがねむしのような甲虫こうちゅうが一種、そのほかに、大きな山蟻やまあり羽蟻はありもいる。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
かすかに聞えた歌の音は窖中こうちゅうにいる一人の声に相違ない。歌のぬしは腕を高くまくって、大きなおの轆轤ろくろ砥石といしにかけて一生懸命にいでいる。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
村落は今揷秧そうおうすみてしばらくは農事ひまなり、あたかも賊軍熊本を退き世間の物情とみに開けし折なりければ、村人もまた瓢箪ひょうたんを負い行廚こうちゅうを持ち、いずこより借り来たりけん二三の望遠鏡さえ携えつつ
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
觥籌こうちゅう又何ぞ数えんといいて、快楽主義者の如く、希直きちょくは俗にして、いんしんに、酒のうれいたる、謹者きんしゃをしてすさみ、荘者をして狂し、貴者をしていやしく、存者そんしゃをしてほろばしむ、といい、酒巵しゅしの銘には
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)