“こいぬ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
小狗33.3%
小犬30.6%
仔犬22.2%
子狗5.6%
子犬5.6%
狗児2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
犬嫌いぬぎらいの父は泊めた其夜そのよ啼明なきあかされると、うんざりして了って、翌日あくるひは是非逐出おいだすと言出したから、私は小狗こいぬを抱いて逃廻って、如何どうしても放さなかった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
其時そのとき小犬こいぬほどな鼠色ねづみいろ小坊主こばうずが、ちよこ/\とやつてて、啊呀あなやおもふと、がけからよこちゆうをひよいと、背後うしろから婦人をんな背中せなかへぴつたり。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私は少年の頃白毛しろげ仔犬こいぬを飼つた事があつた。仔犬は閑さへあれば近所の犬と咬み合ひをしたが、いつも負かされがちだつた。
年久くかはるる老猫ろうみようおよ子狗こいぬほどなるが、棄てたる雪のかたまりのやうに長火鉢ながひばち猫板ねこいたの上にうづくまりて、前足の隻落かたしおとして爪頭つまさきの灰にうづもるるをも知らず、いびきをさへきて熟睡うまいしたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
クリストフはほかにすることもなかったので、あとからついていった。そしていつもの通り、子犬こいぬのようにじゃれついていじめた揚句あげく、とうとういきらして、小父おじの足もとのくさの上にねころんだ。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
床には四角の煉瓦が鋪いてあり、椅子やテーブルは黒い木材でこさえてあり、その脚はひょろ長く曲っていて狗児こいぬの足のようだ。
鐘塔の悪魔 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
ちょうど戸口のところには、テーブルと同じように曲った狗児こいぬの足のような脚の、り掛かりの高い、鞣皮なめしがわで張った肱掛椅子ひじかけいすに、この家の主人が腰をかけている。
鐘塔の悪魔 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)