“きゅうり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キュウリ
語句割合
胡瓜77.4%
久離10.4%
窮理4.7%
黄瓜2.8%
九離0.9%
旧里0.9%
木瓜0.9%
生瓜0.9%
究理0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかも、それらの中には、五倍の大入道の顔、胡瓜きゅうりのような長っ細い顔、南瓜かぼちゃのように平べったい顔なども、幾十となくまじっている。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
かまの下の灰まで自分のもんや思たら大間違いやぞ、久離きゅうり切っての勘当……」を申し渡した父親の頑固がんこは死んだ母親もかねがね泣かされて来たくらいゆえ
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
崩れのこった二間の廂房の外には、黄瓜きゅうりの棚と小さい玉蜀黍とうもろこし畑とがあり、窓下には香り高い晩香玉ワンシャンユイが咲いている。劉向高リウシャンカオという、同じ年ぐらいの少しは文字のよめる男が、春桃と同棲している。
春桃 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
名主へも届け、九離きゅうりって勘当します、往処ゆきどこもなし、親戚みより頼りもねえ奴でごぜえますから、見棄てずに女房にして下せえまし、貴方あんたが見棄てゝもわしゃア恨みとも思いませんが、どうかお頼み申します
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
赤毛布あかゲットにて作りたる半纏はんてんを着て、赤き頭巾ずきんかぶり、酔えば、町の中をおどりて帰るに巡査もとがめず。いよいよ老衰して後、旧里きゅうりに帰りあわれなるくらしをなせり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
酸漿ほおずき木瓜きゅうりのようなありふれた紋ではいかんともすることができぬが、何か一所、形か物体かに特色のある紋なら、自然に家の由来を仮定せしむる材料となるのである。
名字の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
と、いいながら、私は、久しぶりで口に馴れたお前の手でけた茄子なす生瓜きゅうりの新漬で朝涼あさすずの風に吹かれつつ以前のとおりに餉台ちゃぶだいに向い合って箸を取った。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
文章の本質は、個人および邦国の存立とは係属するところなく、実利はあらず、究理きゅうりまた存せず。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)