“きしょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
徽章36.5%
気象18.6%
気性16.8%
起請8.4%
奇峭2.4%
嬉笑1.8%
起床1.2%
奇捷1.2%
毀傷1.2%
祈請1.2%
譏誚1.2%
起誓1.2%
性質0.6%
危峭0.6%
喜昇0.6%
奇粧0.6%
娘生0.6%
帰省0.6%
旗檣0.6%
気勝0.6%
稀少0.6%
紀昌0.6%
記誦0.6%
起承0.6%
饋餉0.6%
騎哨0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人の眼のまえには、法官服や教師の服や御料地事務官の服をつけた人々が、思い思いの徽章きしょうを胸に、絶えずちらちらしていた。
お前は活溌な生れ付きで、気象きしょうもしっかりしているから、きっと、あらゆる艱難辛苦かんなんしんくに堪えて、身分を隠しおおせるだろうと思う。
死後の恋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
日頃我儘わがまま気性きしょうの彼女だったが、弟を殺された一郎に同情したものか、快くこのろうをとって支配人の承諾を得させたのであった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一方には女郎の千枚起請きしょうや旅役者の夫婦約束が、何の苦もなく相手を自殺させるなぞいう奇蹟が続々と起って来ることになるのであります。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
やはりご多分にれず単にその始まっている場所を指示した分類に属すべきものなのでありますが、それがやや群俗を抜いて奇峭きしょうである点に特色があります。
俳句の作りよう (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
だから恐らくはまたこのナガリールーも、「曲る」という語の命令形であって、近世この島でもタンポポの茎を曲らせて、嬉笑きしょうする童戯が行われていた痕跡であろう。
七時起床きしょう。戸を開けば、霜如雪しもゆきのごとし。裏の井戸側いどばたに行って、素裸すっぱだかになり、釣瓶つるべで三ばい頭から水を浴びる。不精者ぶしょうものくせで、毎日の冷水浴をせぬかわり、一年分を元朝がんちょうまそうと謂うのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「これは、望外な奇捷きしょうだ」と、いっていた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
身体髪膚しんたいはっぷこれを父母にうく、あえて毀傷きしょうせざるはこうのはじめなりさ」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
または難船をした者が遥かにこの御岳に祈請きしょうして、つつがなく島に戻った話もある。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
たてられ……誹謗の疵痕きずあと……悪感情の悪戯いたずら……侮辱と意地悪……譏誚きしょう……嘲笑と挑戦……嫉妬?……嫉妬!……復讐……おれはおれの躯を愛しそこなった……
あめんちあ (新字新仮名) / 富ノ沢麟太郎(著)
一、起誓きしょうのこと。おそらく、生涯に、いちど、の、ことでしょう。今夜、一夜、だまって、(笑わずに)ほんとに、だまって、お医者へいって、あと一つ、たのんで来て下さい。たのみます。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
もう承知しておくれだッたのだから、くどく言うこともないのだが……。お前さんの性質きしょうだと……もうわかッてるんだから安心だが……。吉里さん、本統に頼むよ
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
平田が談話はなすことが出来るものか。お前さんの性質きしょうも、私はよく知ッている。それだから、お前さんが得心した上で、平田を故郷くに出発たたせたいと、こうして平田を引ッ張ッて来るくらいだ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
いつぞや冬の初めに、筑摩山脈の美ヶ原に近い一峰に登って危峭きしょう天を刺す槍穂高の連峰が新雪に輝く白無垢に近い姿を眼の前に屏風だちに立ちはだからせているのを眺めたことがある。
冬の山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
歌舞伎座が廿二年に出来るまでは、そのほかにちゅう芝居に、本所の寿ことぶき座と本郷の春木座、日本橋蠣殻かきがら町の中島なかじま座と、後に明治座になった喜昇きしょう座だけだった。
壮士坊主の奇粧きしょう そういう悪い事をするのは壮士坊主そうしぼうずに最も多いのですが、壮士坊主というのはすっかり頭を剃って居るのもあり、顳顬こめかみの毛をやっこのような具合に四寸も五寸も伸ばして居るのもある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
汁の真中へ大切に滑り浮す。それは乙女の娘生きしょうのこころを玉に凝らしたかのよう、ぶよぶよ透けるが中にいささか青春のうるみによどんでいる。それは和食の鯛の眼肉のあつものにでも当る料理なのであろうか。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
はなし変って、私は丁度ちょうどその八月十九日に出発して、当時は京都から故郷なる備中連島びっちゅうつらじま帰省きしょうをしていた薄田泣菫すすきだきゅうきん氏の家を用向ようむきあって訪ねたのである、そして、同氏の家に三日ばかり滞在していた
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
しかるにポンメルシーは、旗檣きしょうの綱に三色旗を翻えさし、毅然きぜんとしてイギリス二等艦の砲弾の下を通過した。
「ただこうなったのも、その場のめぐり合せさ、貝どのには相済まないこと、あなたにはそれがあたしのよそ事せぬようにして見せただけだ、あたしの心算つもりはそんな気勝きしょうげな気持ではない、ただ、いやでいやでじゃ。」
花巻はなまきより十余里の路上には町場まちば三ヶ所あり。その他はただ青き山と原野なり。人煙の稀少きしょうなること北海道石狩いしかりの平野よりもはなはだし。或いは新道なるが故に民居の来たりける者少なきか。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ちょう邯鄲かんたんの都に住む紀昌きしょうという男が、天下第一の弓の名人になろうと志を立てた。おのれの師とたのむべき人物を物色するに、当今弓矢をとっては、名手・飛衛ひえいおよぶ者があろうとは思われぬ。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ところで、その中、今もなお記誦きしょうせるものが数十ある。これを我がために伝録していただきたいのだ。何も、これにって一人前の詩人づらをしたいのではない。
山月記 (新字新仮名) / 中島敦(著)
笑い声がする。詩をぎんずる声が二つ重なったと思うと、起承きしょうも怪しいまま、転々と続いて行くらしい。軍刀をかざしたまま、吉良兵曹長の上体はぐらぐらと前後に揺れた。眼をかっと見ひらいた。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
高岡に住めるその母は、はしを控えて渠が饋餉きしょうを待てり。白糸は月々渠らを扶持すべき責任ある世帯持ちの身となれり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
暴徒の方では、四辻よつつじかど騎哨きしょうを置き、また防寨の外に大胆にも斥候を出した。かくて互いに両方から観測し合っていた。政府は手に軍隊を提げながら躊躇ちゅうちょしていた。