“かけす”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
懸巣61.5%
樫鳥23.1%
掛棄7.7%
橿鳥7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
谷に近い森の奥では懸巣かけすしきりに鳴いています。鸚鵡おうむのように人の口真似をする鳥だとは聞いていましたが、見るのは初めてです。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
太陽は入江の水平線へしゅの一点となって没していった。不弥うみみや高殿たかどのでは、垂木たるき木舞こまいげられた鳥籠とりかごの中で、樫鳥かけすが習い覚えた卑弥呼ひみこの名を一声呼んで眠りに落ちた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
……のきかどかたむいて、破廂やれびさし月影つきかげ掛棄かけすてた、すぎが、げんふくろふのやうに、がさ/\と釣下つりさがつて、ふるびたさまは、大津繪おほつゑやつこ置忘おきわすれた大鳥毛おほとりげのやうにもえる。
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
木々が黄葉こうようを呈している。そこへ昼の陽があたっている。白々と見えるは白樺しらかばの幹だ。林では兎がはねている。こずえでは橿鳥かけすが呼んでいる。空気には立派なにおいがある。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)