“かきくど”の漢字の書き方と例文
語句割合
掻口説100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ともすれば籠み上げて来る鳴咽を噛みしめながら、はらわたのちぎれるような声を振り絞って夫に向って、訴えるように、励ますように、掻口説かきくどくのだった。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
小説にしないまでも、碓氷川の瀬の音の、更けて、いかに悲しくねざめの枕に響いたかということを、山鳥の尾のながながしく、掻口説かきくどいたことだろう。
春深く (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
あはれ時こそ來りたれ、外に戀を爭ふ人なければ、横笛こそは我れに靡かめと、夜となく晝とも言はず掻口説かきくどきしに、思ひ懸けなや、横笛も亦程なく行衞しれずなりぬ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)