“おかめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
阿亀30.0%
多福面20.0%
岡目20.0%
福面女10.0%
傍目10.0%
岡眼10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
阿亀おかめとか天ぷらとかいって注文すると、おそばでございますか、饂飩台でございますかと聞き返される場合が多い。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
つきめ忌〻しい、と駄力ばかりは近江のお兼、顔は子供の福笑戯ふくわらひに眼を付け歪めた多福面おかめの如き房州出らしき下婢おさんの憤怒、拳を挙げて丁と打ち猿臂ゑんぴを伸ばして突き飛ばせば、十兵衞堪らず汚塵ほこりまみ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
く黒紋付のつい仙台平せんだいひらというこしらえだったから、岡目おかめには借金にくるしめられてるとは少しも見えなかった。
名の上へ、藤の花を末濃すそごの紫。口上あと余白の処に、赤い福面女おかめに、黄色な瓢箪男ひょっとこあお般若はんにゃ可恐こわい面。黒の松葺まつたけ、浅黄のはまぐり、ちょっと蝶々もあしらって、霞を薄くぼかしてある。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あたかもその時、役者の名の余白に描いた、福面女おかめ瓢箪男ひょっとこの端をばさりとまくると、月代さかやき茶色に、半白ごましおのちょん髷仮髪まげかつらで、眉毛のさがった十ばかりの男のが、渋団扇しぶうちわの柄を引掴ひッつかんで、ひょこりと登場。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
俗に、傍目おかめもくというではありませんか。第三者として傍観しておれば、孔明軍師がきょうまでのあいだに、漢中の張魯にたいして、どんな手だてを打っておるかは、楽屋から舞台を
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
岡眼おかめをしていた閑人以上の閑人が、今ふと薬屋の路地を入って行った女の姿を認めた時は、一局の勝負がついた時であったから、こんな場合にはまげ刷毛先はけさきの曲ったのまでが問題になる。