“うわぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
上衣68.3%
上着21.2%
2.9%
上服1.4%
上被1.0%
上著1.0%
外衣1.0%
袍衣0.5%
外被0.5%
0.5%
衣被0.5%
表着0.5%
袗衣0.5%
袿袴0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
五つぎぬ上衣うわぎ青海波せいがいはに色鳥の美しい彩色つくりえを置いたのを着て、又その上には薄萌黄うすもえぎ地に濃緑こみどりの玉藻をぬい出した唐衣からごろもをかさねていた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すると、すぐさまこん棒がとびだして、上着うわぎといわず、ジャケツといわず、つぎからつぎへと相手の背中せなかをぽかぽかなぐりつけるのでした。
天子てんしさまはたいそう頼政よりまさ手柄てがらをおほめになって、獅子王ししおうというりっぱなつるぎに、おうわぎ一重ひとかさえて、頼政よりまさにおやりになりました。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
井戸端に出ると汗はダラダラと全身に流れて小倉こくら上服うわぎはさも水に浸したようである。彼はホット溜息ためいきらすと夏の夜風は軽く赤熱せきねつせる彼が顔をめた。彼の足は進まなかった。
愛か (新字新仮名) / 李光洙(著)
長野は、赤い組長マークのついた菜葉なっぱ服の上被うわぎを、そばの朝顔のからんだ垣にひっかけて、靴ばきのままだが、この家の主人である深水は、あたらしいゆあがりをきて、あぐらをかいている。
白い道 (新字新仮名) / 徳永直(著)
外衣うわぎ裏衣したぎも、雨や、風や、岩角に破られてしまって、二人ともホントのヤバン人のように裸体はだかになってしまいましたが、それでも朝と晩には、キット二人で、あの神様の足凳あしだいの崖に登って
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
店の看板女房は、厚化粧して、緑紗りょくしゃ袍衣うわぎに、真紅しんくはかまを着け、ブ毛の光る腕首には、黄金の腕輪をめたりなどしているジプシーのような女だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
身装みなり黒紗くろしゃ袍衣うわぎに白絹の帯を横結びに垂れ、そして、頭にも手くびにも白い繃帯ほうたいをまいていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其一人の外被うわぎ青白赤せいはくせき三色の線ある徽章しるしおびたるはとうでもしるき警察官にして今一人は予審判事ならん、判事より少し離れたる所に、卓子ていぶるに向い何事をか書認かきしたゝめつゝ有るはたしかに判事の書記生なり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
彼の男は承知して、うわぎをぬいではこの上にかけ、物を怨むような所作しょさをしていった。
偸桃 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
白い衣の上にやはり白いうすもの衣被うわぎを著て、古文字のような物を書いた木簡もっかんを読んだ、読み終るとそれを石の下に置いて、今度は剣を舞わして身を躍らしたが、あたかも電光のようであった
美女を盗む鬼神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
紅梅がさねなのか、濃い色とうすい色をたくさん重ねて着たのがはなやかで、着物の裾は草紙の重なった端のように見えた。桜の色の厚織物の細長らしいものを表着うわぎにしていた。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
うす寒げな白の袗衣うわぎに、紅羅あか裙子はかまを曳き、白粉おしろい痩せは、その頬に見えるだけでなく、肩にも弱々しげなかげがある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「二郎さん、見てよ。これ、いつかあなたにいただいた緞子どんすで仕立てた袿袴うわぎなのよ。どう似合うこと?」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)