“うるさい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
五月蠅78.6%
五月蝿7.1%
夏蠅7.1%
蒼蠅7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わしも考えたのだよ。いくら何だと言っても、二十五六も違うのだろう。世間が五月蠅うるさいからね。ただでさえ『成金! 成金!』と、いやなまなこで見られているんだろう。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
村井は五月蝿うるさいと云ひげに眉をひそめしが「そりや、其のあれだ、手短に言へば皆ンなで働いて皆ンなでつかふのだ、誰の物、彼の物なんて、そんな差別は立てないのだ——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
誰が言うたか松島大佐も其れが為めにひどく感色を悪るくして居たと云ふのだから、——篠田も最早もはや教会を除名した上は、風評うはさも自然立ち消えになるであらうが、兎角とかく世間は五月蝿うるさいものだから
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
おのれが配分はいぶんたのを今さら忘れもしまいと一々其せつ手續てつゞきを云立るに段右衞門ヱヽ夏蠅うるさい女め種々いろ/\なことをこしらへておれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
蒼蠅うるさいよ、などという母ではない。何処迄も相手になって、其意味を説明して呉れて、もうおそいから黙っておと優しく言って、又彼方あちら向いて了った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)