“いよいよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イヨイヨ
語句割合
愈々55.3%
26.8%
愈〻8.7%
4.0%
弥々3.0%
弥〻1.0%
断然0.2%
弥弥0.2%
愈愈0.2%
決然0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかも其の恋は愈々いよいよ外れて行くだけだった。彼はいつか運命ということを考え詰めるようになった。彼はしきりに手相にり出した。
ガルスワーシーの家 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
お繁さんは無事でしょうなと、聞きたくてならないのを遂に聞かずに居った予は、一人考えにふけっていよいよ其物足らぬ思いに堪えない。
浜菊 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
愈〻いよいよ中国出陣の日も近いにちがいないと感じたので、姫路へ帰る予定を急にえて、単身その脚で山陰へ廻ったものであった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
国許くにもと之儀は、いよいよ稠敷きびしく仰渡候由候処に、せしめ違背密々呑申者共有之、後には相知、皆死罪に為仰渡由候云々。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
いとまともならば弥々いよいよ病人の伯父に心配をかけ、痩世帯やせぜたいに一日の厄介も気の毒なり、その内にはと手紙ばかりをりて、身は此処ここに心ならずも日を送りける。
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それぞれきほどにて引き別るることとなり、妾も弥〻いよいよ明日岡山へ向け出立というその夜なりき、重井より、是非相談あれば松卯に来りくれよと申し来りぬ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
「それぢや断然いよいよお前は嫁く気だね! これまでに僕が言つても聴いてくれんのだね。ちええ、はらわたの腐つた女! 姦婦かんぷ‼」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そんなら断然いよいよ今晩は来ないときまりましたね。ぢや、戸締とじまりして了ひませうか、ほんに今晩のやうな気の霽々せいせいした、しんの底から好い心持の事はありませんよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「貴方、弥弥いよいよお別れですわ。」と女はしみじみした調子で云つた。
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
そのあくる日、私たちは愈愈いよいよあこがれのエルサレムに向い、出発いたしました。
駈込み訴え (新字新仮名) / 太宰治(著)
何と就かずに段々言延いひのばして御座いましたのを、決然いよいよどうかと云ふ手詰てづめはなし相成あひなりましたので。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
是に於いて、皇太子た使者を返し、其の衣を取らしめ、常のごとたまふ。時の人大にあやしみて曰く、聖の聖を知ること、其れまことなる哉。いよいよかしこまる。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)