“いちい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イチイ
語句割合
水松37.5%
一位25.0%
一意12.5%
4.2%
一井4.2%
一葦4.2%
4.2%
櫟井4.2%
水松樹4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水松いちい生籬いけがきのあるところ、——そこには苔むした石でたたまれ、両側には紋章のついた柱の立っている正門があった。
まずこの山が飛騨の国の中央の位置にある。古来帝都に奉り、御笏おんしゃくの料とした一位いちいの木(あららぎ)を産するのでも名高い。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
泰然たいぜんとしてその机を階下に投じ、た自個の所有にかかる書籍、調具を顧りみず、藩主恩賜おんしの『孫子そんし』さえも焼燼しょうじんに帰せしめ、一意いちい以て寓家ぐうか什器じゅうきを救わんとせり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
彼は胸の勾玉を圧えながら、いちいひのきの間に張り詰った蜘蛛くもの網を突き破って森の中へ馳け込んだ。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
彼は人波ひとなみの後をぬけ、神庫の前を通って暗いいちいの下まで来かかった。そのとき、踊りのむれからした一人の女が、彼の後からけて来た。彼女は大夫の若い妻であった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
将軍と吾輩は駐在所へ行って、巡査に依頼してようやく、一井いちいという旅館へ宿とまることとなった。いかさま、おまわりさんでも頼まなければ、どの家でも泊めてくれなかったかも知れぬ。
知らず燕王のこれに対して如何いかんの感を為せるを。たゞ燕王既に兵を起したたかいを開く、巍のことばしと雖も、大河既に決す、一葦いちいの支え難きが如し。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
県会議員をしていると云う有志の一人がいちいの木で作った脇立と、隣村の城主の一族で長宗我部に滅されて其処で自殺したと云う武士の位牌を持って来て
不動像の行方 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
町はずれの町長のうちでは、まだ門火かどびを燃していませんでした。その水松樹いちいかきかこまれた、くらにわさきにみんな這入はいって行きました。
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)