つめ
寒い晩だつた。密閉した室で、赫々と火を起した火鉢に凭つて、彼は坐つて居た。未だ宵のうちなのに周囲には、寂として声がなかつた。 彼は二三日前から病気と称して引籠つて居た。別に、どこがどう、といふのではなかつたが、それからそれへ眠り続けた勢か、 …
作品に特徴的な語句
周囲あたり
題名が同じ作品
(旧字旧仮名)萩原朔太郎 (著)