香ひの狩猟者においのしゅりょうしゃ
幽かに香ひはのぼる。蕾のさきが尖つてゐるのは内からのぼる香ひをその頂点でくひとめてゐるのだ。花がひらいた時は香ひもひらいてしまふ。残りの香のみの花を人は観てゐる。開いた朝顔が萎へると蕾のやうになる。それもちぢれて蕾の巻いた尖りは喪はれ、香ひ …